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町工場のAI番頭 ― 眠っている「こう作った」を、次の仕事へ返す ―

株式会社アイテック

町工場のAI番頭町工場のAI番頭

多品種・小ロット・一品物の町工場では、生産管理システムへ入力しても、 その価値が現場へ返ってきません。 新しく作るのはAIではなく、すでに社内にある「こう作った」の引き出し方です。 AI番頭は過去を探し、案を出すところまで。考えて決めるのは、人です。

01 / PROBLEM

いま何に困っているか

多品種・小ロット・一品物の現場では、入力しても価値が返りにくい。 これは担当者の努力不足ではなく、仕組みの側に理由があります。

1

多品種・小ロットで標準化しにくい

同じものを繰り返し作らないため、標準手順に落とし込む前提が成り立ちません。

2

一回限りの製品も多く、毎回考え直しになりやすい

過去に似たものを作っていても、それを探し出す手段がなく、毎回ゼロから考えることになります。

3

生産管理システムに入力しても、現場メリットが見えにくい

入力は「会社のため」の作業になり、入力した本人の次の仕事は楽になりません。

4

図面は必ずあるが、工程条件づくりに時間がかかる

図面PDFは必ず存在します。しかし、そこから加工条件を組み立てる作業が毎回発生します。

5

ベテランや担当者の頭の中に判断が残りやすい

「この場合はこうだな」という判断は、記録されないまま個人の中に留まります。

6

零細企業では高額なAI投資は難しい

数千万円規模のAI投資も、月額の従量課金も、現実的な選択肢にはなりません。

本当の課題は
「入力が現場へ返ってこない」こと。

AI番頭は、眠っている情報を整理して次の仕事へ返します。
新しい入力を増やすのではなく、すでに入力されたものを現場へ戻す方向の仕組みです。

02 / CONCEPT

解決コンセプト

図面から、過去の知恵を呼び出し、今回との差分を見せる。 AI番頭は生産管理システムから知見をひきだし、判断材料をそろえるところまでを担当します。

  1. INPUT

    新規図面PDF

    受注した図面のPDFを、AI番頭の画面にドロップするだけ。新しい入力作業は増えません。

  2. AIの担当

    類似図面・過去品検索

    図番・材質・寸法などのキーで、過去に作った似た製品を既存データベースから探し出します。

  3. AIの担当

    仕様・工程条件・実績を収集

    見つかった過去品について、製品仕様書・工程条件・作業実績・単価を横断して集めます。

  4. AIの担当

    AIが差分と候補を提示

    「今回はここが違う」という差分と、参考にできる候補を並べて提示します。断定はしません。

  5. 人の担当

    人が判断・修正

    工程や部材を職人が判断し、違うところを直します。ここが仕組みの主役です。

  6. 人の担当

    見積もり案作成

    そろった判断材料をもとに、見積もり案を組み立てます。根拠が過去実績で裏付けられます。

  7. OUTPUT

    生産管理へ登録

    確定した内容を、これまでどおり既存の生産管理システムへ登録します。運用は変わりません。

AI番頭は、生産管理システムから知見をひきだし判断材料をそろえる。
主役は人です。
現場でのやりとり

人が:図面をAI番頭の画面にドロップ

「この製品、どう作る?」

AI番頭:似た製品が3件あります

候補 製品コード 版数 一致度
① CD 12345 HAN 4 92%
② CD 08421 HAN 2 87%
③ CD 10318 HAN 1 78%

人が:工程や部材を判断・修正

「これは楽!」

AI番頭:過去データから単価・工程を抽出し、案を提示

候補として並べるところまで。決めることはしません。

人が:最終判断

最後に決めるのは、いつも人です。

製品仕様書 7,201件、工程実績 11.8万行。 これまでの「こう作った」が、すでに社内のシステムの中に入っています。
新しく作るのはAIではなく、その引き出し方です。

03 / LEARNING

AI番頭の育て方

AI番頭を育てるのは、たった一行。 職人が「なぜ直したか」を書く、その一行だけです。

1

AIが候補を出す

似た3件と、その実績を並べて提示します。

2

職人が直す

「それは違う、これだ」と、人が候補を修正します。

3

理由を一行

なぜ直したかを、一行だけ書き添えます。

4

別表に残る

AIが経験知として保管し、次の判断材料になります。

工程や部材は記録されていても、
「なぜそれを選んだか」は、今どこにも残っていません。

残っているのは結果だけです。理由は既存システムに存在しない唯一のデータであり、 将来の精度向上の唯一の燃料です。 既存システムを書き換える必要はありません。 AI提示/人の修正/修正理由を別テーブルに蓄積する。 これが「AI番頭を育てる」の実体です。

育てる作業は、日々の判断のついでに終わります。 新しい入力業務を作らないこと、これが定着の条件です。

04 / ASSETS

技術的な実現性 ① ― 資産の棚卸し

もう、社内に全部あります。 AI番頭のために新しく集めるデータはひとつもありません。

10,000件 製品仕様書
150,000行 工程実績(5工程)
40,000行 加硫実績
20,000行 接着実績

すでに社内に存在するデータ資産

データ資産 内容 規模
製品仕様書 製品ごとの標準仕様・加工条件 1万件
工程実績 5工程分の作業実績 15万 行
加硫実績 温度・時間・使用機械 5万 行
接着実績 接着剤・前処理の条件 3万 行
図面 図番と製品が紐付けられた状態で社内に実在(DB+共有フォルダ) 社内に実在
改訂履歴・クレーム履歴 うまくいかなかった記録=失敗知も残っている 社内に実在
AIに新しい生産管理システムを作らせる必要はありません。
15年分の「こう作った」は、すでに既存システムの中に入っています。

新しく作るのはAIではなく、その引き出し方です。 既存システムの入れ替えも、データの作り直しも発生しません。

05 / COST

技術的な実現性 ② ― なぜ安く実現できるのか

零細企業でも払える金額で実現できます。 高価な仕組みを使わないから安い、というだけの話です。

1

類似検索は SQL

正しい5項目キーでJOINし、件数を数えて並べるだけ。 特別な検索技術は使いません。

2

LLM は説明だけ

「なぜ似ているか」を日本語にする役に限定します。 判断はさせません。

3

図面は pdftotext

テキスト層+正規表現で読み取ります。 スキャン図だけOCRを併用します。

4

全件メモリに載る

7,201件という規模なら、ベクトルDBも検索エンジンも不要です。

AI番頭の8割は、SQLと集計で完成します。
だから安く、速く、壊れない。
  • LLMが必要なのは「なぜ似ているか」を言葉にするところだけです。
  • ベクトルDBも検索エンジンも要りません。7,201件は全件メモリに載る規模です。
  • 従量課金もありません。ローカルLLMで社内完結します。
  • 図面は一切外部に出しません。社外へのデータ送信は発生しません。

ローカルLLMと社内完結の構成については Ai事業(SooS)のページ、 AIの権限と記録の統制(委任状・監査記録)については SOOS製造業版 で詳しくご説明しています。

06 / SOURCE

技術的な実現性 ③ ― 実ソースを読んで分かったこと

20年前の設計者と、同じ思想です。 既存システムのソースを実際に読んだところ、AI番頭と同じ形が最初から実装されていました。

1

製品仕様書(標準)

160℃ / 20分
プレス機 D-3 200t

製品ごとの標準条件が、マスタに登録されています。

2

実績入力画面

初期値をセット
温度・時間の欄に標準値が入っている

画面を開いた時点で、システムが候補を出しています。

3

作業実績

158℃ / 22分
8回連続・不良 0

人が直した結果が、実績として残っています。

標準値が初期値としてセットされ → 人が現場に合わせて直し → その実績が残る。

「システムが候補を出して、人が直す」
―― この形は、既存の生産管理システムに最初から実装されていました。
AI番頭は、その思想の延長線上にあります。

新しい思想を持ち込むのではありません

これまで

記録するシステム

入力した情報は、記録として残る

  • 入力は会社のための作業になる
  • 過去を探す手段が用意されていない
  • 判断の理由はどこにも残らない

結果は正しく蓄積されています。ただ、その蓄積が次の仕事を助ける形になっていません。

これから

過去の仕事が次の仕事を助けるシステム

新規図面のときだけ、過去が出てくる

  • 入力した本人の次の仕事が楽になる
  • 似た過去品が候補として並ぶ
  • 修正理由が経験知として蓄積される

既存システムが最初から持っていた思想を、10,000件・15万行の規模まで広げるだけです。

書き込まない。読むだけ。新規図面のときだけ出てくる。
既存システムには一切手を入れない範囲から始めます。だから、止まりません。

まずは、社内にあるデータの棚卸しから

現在お使いの生産管理システムと、図面の保管状況をお聞かせください。 AI番頭が成り立つ条件がそろっているかどうかを、実際のデータ構成を見ながらご説明します。 訪問・オンライン(Zoom等)いずれも対応いたします。

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